英語が聞き取れない。そこで勇気を出して聞き返す。それなのに、もう一度聞いてもやっぱり分からない。結局、「分かりません」と言って会話が終わってしまう。
渡米して間もない頃の私は、これを何度も繰り返していました。今思えば、問題は「聞き返すこと」ではなく、聞き返し方の手数が少なかったことだったのだと思います。

「I don't understand」しか言えなかった
アメリカに来たばかりの頃、相手の英語が聞き取れないと、私は困った顔をするか、"I don't understand."と伝えるくらいしかできませんでした。
何を言われたのか分からない。だから「分かりません」と言う。自分としては、それで精一杯でした。
ところが、相手の立場から考えると、それだけでは次にどうすればよいのか分かりません。
- 全部が分からないのか
- 一つの単語だけ分からないのか
- 話すスピードが速すぎるのか
相手には判断する材料がないからです。その結果、同じ説明をもう一度繰り返されるだけだったり、そこで会話が終わったりすることがありました。

「聞き返したのに分からない」のは、なぜなのか
例えば、"Sorry?"とだけ言ったとします。もちろん、聞き返すこと自体は悪いことではありません。でも、相手が同じ内容を同じスピードで繰り返したら、当然また分からないことがあります。
つまり、聞き取れない ➔ "Sorry?" ➔ 同じ英語をもう一度聞く ➔ やっぱり分からないという繰り返しになってしまいます。当時の私は、この状態から抜け出す方法をほとんど知りませんでした。

私には「二択」しかなかった
今振り返ると、当時の自分には、
- 「黙る」
- 「I don't understandと言う」
か、そのくらいしか選択肢がありませんでした。だから会話が止まってしまうのも、ある意味では当然だったのだと思います。
聞き取れなかったときに必要なのは、必ずしも「もっと英語力を上げること」だけではありません。聞き取れなかった後に、どう会話を動かすか。そのための言葉をいくつか持っていることも大切です。

「分からない」を、もう少し具体的にする
例えば、相手の説明全部が分からないのではなく、一部分だけが分からないのであれば、その部分を示す。話すスピードが問題なら、ゆっくり話してもらう。目的があるなら、自分が何を知りたいのかを先に伝える。こうすると、相手も説明の仕方を変えやすくなります。
私自身、後になってこのことを少しずつ覚えていきました。そして、その経験の中で特に印象に残っているのが、大学のRegistration Officeでした。

Registration Officeで、伝え方を変えた
履修登録の窓口で、私は最初、相手の説明をほとんど聞き取れませんでした。以前の私なら、ここで "I don't understand."と言って終わっていたかもしれません。
しかし、このときは自分の目的を絞って伝えることができました。すると、相手から返ってくる説明が驚くほど分かりやすくなりました。
相手が急に英語を簡単にしてくれたというより、こちらが何を知りたいのかが明確になったことで、相手も答えやすくなったのだと思います。この経験は、「聞き取れない=英語力だけの問題」と考えていた私にとって、一つの転機になりました。
▶英語で聞き返しても伝わらない時の切り抜け方|Registration Officeで気づいた「目的を絞る」コツ

聞き返すことは、英語力不足の証拠ではない
英語を話していると、聞き取れない場面は誰にでもあります。問題は、聞き取れなかったことそのものより、その後に何ができるかです。
私の場合、渡米当初は「分かりません」と言うだけから少しずつ、
- 「もう一度言ってもらう」
- 「分からない部分を具体的にする」
- 「自分の目的を伝える」
というように、対応の手数が増えていきました。
もちろん、英語力そのものを高めることも必要です。ただ、それと同時に、聞き取れなかったときの対応力持っておくと、実際の会話ではかなり違います。
「何度聞き返しても分からない」と感じているなら、英語の勉強だけでなく、聞き返し方そのものを一度見直してみてもよいのではないでしょうか。
海外生活・英語の記事
実際の会話で英語がまったく違う音に聞こえた体験から、英語が聞き取れない原因について紹介しています。

長年英語を聞き続けても聞き取れなかった留学中の体験から、「音をつかむ」という壁について紹介しています。

英語のリスニングや発音の悩みに合わせて、学習サービスを比較した記事です。

あわせて読みたい
英語の記事では書ききれなかった、アメリカ生活や留学中の出来事を、人生エピソードとして紹介しています。


