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「単語は知っているのに、なぜかネイティブの会話が聞き取れない」「英語を何年も勉強しているのに、リスニングだけ伸びない」— そう感じたことはありませんか。
私自身、アメリカに約10年住み、大学の授業から仕事の会議まで英語漬けの生活を送ってきましたが、この壁には長い間悩まされました。特に苦しかったのが、留学先の大学で単位を落としかけ、毎晩5時間もテープを聞き続けた日々です。今回は、その体験から見えてきた「聞き取れない理由」と、当時の自分にはなかった今の解決策について書きます。
進路の軌道修正から始まった「聞き取れない」との闘い

在米当初、最初に入学した学校ではBusiness Administrationを専攻していました。特に強い興味があったわけではなく、大卒資格を取るためという気持ちが強かったと思います。しかし、興味のない経済経営学を第二言語の英語で学ぶのは難しく、成績は徐々に落ちていきました。
このままではGPA(成績平均点)が2.0を下回り、Probation(退学警告)を受けてしまいます。そうなる前に「なんとかせねば」という焦りが湧いてきました。成績が落ちている原因は、興味のない科目を基礎知識のない状態で、しかも第二言語である英語で受けていることだと考え、専攻をGeneral Curriculum(一般教養課程)に変更しました。単位の状況からも、そのほうが早く卒業できると言われたためです。
変更によって次のSemesterでGPAは上がりましたが、それで簡単に授業についていけるようになったわけではありませんでした。

一般教養に変えても消えなかった「聞き取れない」という壁
General Curriculumは基礎的な知識がある分、Business Administrationよりはついていける余地がありました。それでも、先生の話すことが聞き取れない、理解できないという状況は変わりませんでした。
先生の話す速度が特別早いわけでも、表現が難しいわけでもありません。それでも部分的にしか授業についていけない。さらに教師は韓国人やインド人など多国籍で、母国語特有のアクセントがありました。教科書もありましたが、大抵の先生はほとんど教科書に書いていないことを授業中に話します。つまり、授業中にすべてを聞き取れなければ、その授業の単位は取れないという状況でした。

頼れる人がいなくなり、たどり着いた自己流の方法
最初は、同じ授業を取っている生徒のノートをコピーさせてもらっていました。しかしある日、いつものようにコピーを頼んだ相手が、次の授業で別のテーブルに座り、目が合いました。ノートをコピーされるのが嫌だったのでしょう。気まずさとともに、孤独感が募りました。
そこで始めたのが、授業をテープに録音し、家でもう一度聞き直すという方法でした。学校から帰ってすぐに聞き取りを始め、晩飯と風呂以外の時間はほとんどこの作業に費やしました。2時間の授業につき、毎晩4〜5時間、内容によっては5〜6時間。聞き取れるまで同じ箇所を何度も巻き戻し、それでも分からなければ英会話スクールの先生や他の生徒に聞いてもらい、書き留めるという日々でした。

なぜ聞き取れなかったのか — 単語を知っていても足りない理由
聞き取れない理由は、録音の音質や早口など色々ありましたが、一番大きかったのは「英語表現そのものを知らないと聞き取れない」ということでした。知っている単語が並んでいても、その組み合わせや言い回しが分からないと、意味が繋がらない。つまり、語彙力の問題である以前に、「音そのものをまず正確につかめていない」という段階でつまずいていたのです。
これは、多くの人が英語学習で見落としがちなポイントだと思います。単語や文法を覚えても、ネイティブが手加減せずに話す速度と音の連なりを「音として」つかめなければ、意味の理解にたどり着けません。
当時のやり方には、実は大きな限界があった

テープを何度も巻き戻す方法は、根性さえあれば誰でもできる分、非効率でもありました。同じ音源を10回聞いても、そもそも「その音の切れ目や連なり」を正確に拾う力自体がなければ、11回目もほとんど変わりません。実際、10回ほど繰り返しても分からない箇所は、結局人に聞くしかありませんでした。毎晩4〜5時間という時間をかけられたのは、当時学生で他にやることが少なかったからでもあります。
今、同じ悩みを抱える社会人がこの方法をゼロから再現するのは現実的ではないでしょう。
当時の自分がやっていたのは、要するに「聞き取れるまで、遅く・繰り返し・区切って音を拾う」という作業でした。実はこれと同じ発想を、教材の収録段階からポーズ入りのスロー音声として設計しているのが、英会話教材の「リッスントーク」です。ネイティブスピードでは拾いきれない「音の切れ目」を、まず正確につかむところから始められるようになっています。
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帰国後、今も英語の会議で感じること
卒業して帰国後も、正直リスニングには自信がありませんでした。会社で外国人社員と英語会議をすることもあります。以前、フランス本国から部署のトップが来日し、他の海外拠点の社員も交えて会議をしたことがありました。事前に資料は配られず、その場で出た議題をもとにいきなり話し合いが始まったのです。
その会議も、フランス語、ヒンディー語、タガログ語、ドイツ語なまりの英語が飛び交い、ネイティブは一人もいませんでした。どの英語も一筋縄では聞き取れず、結局その会議では発言の場がありませんでした。

聞き取れないことを前提に、備える
通常は資料が事前に配布されるので、会議の前には必ず目を通しておく。専門用語や論点を先に頭に入れておけば、聞き取れない部分があっても話の筋を見失わずに済みます。「聞き取れないことを前提に、備える」——テープを何度も巻き戻していたあの頃から、対処法は変わりましたが、この向き合い方はあの経験がなければ身についていなかったと思います。

まとめ:聞き取れないのは、あなただけではない
英語を完璧に聞き取れるようになる日が来るとは、今でも思っていません。それでも、聞き取れない部分をどう埋めるかという方法は、あの頃より確実に増えています。
もし今、単語も文法も勉強しているのに英会話が聞き取れないと感じているなら、それはあなたの努力不足ではなく、「音をつかむ」段階を飛ばして先に進んでしまっているだけかもしれません。当時の自分のように何年もかけて自己流で耳を鍛える前に、その部分に特化した教材から始めてみるのも一つの近道です。
聞き取れない部分をどう埋めるか、そのヒントは次の記事でも触れています。

アメリカ生活で得た他の気づきは、こちらの一覧からもご覧いただけます。


